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集塵機技術情報

2020年9月9日集塵機の防爆対策について

集塵機のメンテナンスを怠ることで発生するトラブルのうち、最も危険なものが爆発です。特に、構造上消火は非常に困難な場所の場合等では、一度一度火がついてしまうと工場自体が全焼してしまう危険性もあります。そのため、防爆に対しては万全の対策をしておくことが重要です。

修理・保全メンテナンスが不十分であったり、大して知識のない修理・保全メンテナンス業者が修理・保全メンテナンスしてしまった場合、集塵機・バグフィルターの能力が低下し、ダクト内に粉塵・粉じん(ヒューム、ダスト、埃)が溜まり目詰まりを起こした状態になってしまいます。

実はダクト内にこのように集塵物が溜まった状態は、非常に危険な状態なのです。特に金属研磨などで多いのですが、火花が堆積した粉塵・粉じん(ヒューム、ダスト、埃)に飛び、粉塵・粉じん(ヒューム、ダスト、埃)が燃え上がってしまうというケースがまれに発生します。また、工場内の空気中やダクト内の空気中に粉塵・粉じん(ヒューム、ダスト、埃)があると粉塵爆発が発生してしまうこともあります。
付け加えるとダクト内で火が付くと構造上消火は非常に困難になり、最悪の場合では、工場が全焼してしまう危険性もあるのです。

騒音、振動の生理機能への影響

騒音の影響
交換神経緊張、日垂眠妨害、血管収縮、血圧上昇、消化器系機能抑制、難聴

超低周波音
発生障害、圧迫感、血圧上昇、平衝感覚失調、船酔い状態、q家屋、建具などの二次的振動による生活妨害
≪超低周波音≫
人間が音として聞きとりができる周波数の範囲は20~20、000Hzとされている。従って通常騒音が問題になるのはこの範囲の周波数に限られるが、1~20の周波数の音でもも80~140dB位になると感じることができる。1~20Hzの音を超低周波音といい、非常に強い超低周波音にさらされると中耳に損傷を受けまたは圧迫感を訴えるようになる。
施設管理者・施設責任者様

振動の影響
交感神経緊張、血圧上昇、呼吸数増加、消化器系機能抑制、内臓損傷
≪レイノー現象≫
振動工具を長時間使用し続けると手など局所的に激しい振動を受けた部分の血管、神経に障害をきたす。これは主として末補の循環障害によって手指が蒼自になるもので、この現象をレイノー現象といっている。これにともない神経系の障害としてしびれ、疼痛があらわれ、そのほか、骨、関飾系の障害、筋力の低下、中枢神経系や自律神経系の障害などが表われる。振動とは関係なくこのような疾病の起ることもある。白ろう病とも呼ばれる。

爆発災害の原因解析

型式原因対策
第一種爆発A型着火
破壊型
容器内の可燃性物質と空気などの支燃性物質が適度に混合した状態になり、着火源により着火有機溶剤タンク内の残留蒸気が着火、爆発速やかなガスパージ、不活性ガスによるパージ、密閉容器内に空気を入れない着火源を近づけない
B型漏洩型危険物が漏浅して空気との混合気体が生じ、それに着火ガソリンのタンクからの漏洩漏洩防止、機器のメンテナンス、バルブ操作ミスの防止、漏洩の速やかな探知、速やかに拡散させる
第二種爆発A型自然
発火型
直射日光による化学反応の急激な進行ドラム缶内の化学物質が直射日光で加熱、反応、光化学反応直射日光をさける
B型反応
暴走型
蒸気圧の急上昇反応熱の蓄積により、加速度的に反応が進行、温度上昇、冷却装置の故障、着火源不要の爆発反応熱除去対策、冷却装置の確保
第三種爆発A型熱移動型急激な熱移動のための沸騰水溜りの上に多量の高温スラグを注いだ場合、低沸点液体(ex.LNG-160℃)が常温の海面などに流れ出た場合海水の熱が低温のLNGに急激な熱移動する着火源不要沸点の極度に違う液体を接触させない
B型熱平
衡破綻型
急激な蒸気庄減少による平衡破綻低沸点液体が常温でタンク内に貯留されている場合(高圧になっている)、タンクに亀裂が生じ、急激に庄力が下がると、熱平衡が破れ激しい沸騰が起こる。着火源不要、タンクの過充損が原因になり、温度上昇による液の膨脹→タンク亀裂→爆発となるタンクの場合、過充榎をさける

爆発の三条件

1.可燃性物体の存在可燃性の粉休やガスが適当な濃度で空気中(酸化剤)に浮遊していること。
可燃性物質の種類によって異なるが粒径15μm以下、濃度20~6000g/ma位の範囲か危険濃度とされている。(比較的事故例の多い物質 )
アル ミニウム粉、アルミ材の研磨粉、亜鉛粉、鉄粉、フェロシリコン粉、チタン粉、マグネシューム粉、各種プラスチック粉、有機合成薬品中間体、小麦粉、木粉、その他燃焼しやすい物質の粉(火災、爆発に対して安全な物質)土、砂、酸化鉄、研磨材、セメント
2.酸化剤の存在集塵装置では酸化剤は主に空気(酸素)である。しかも装置内は換気が行われていて酸素は十分供給されているとみてよい。
3.着火源の存在着火源は現在次の四種八点が知られている。
電気的着火源……電気火花、静電気火花
化学的着火源……火炎 (裸火)、自然発火
高温物体…………高温表面熱線(輻射線)(光線)
力学的着火源……衝撃 (摩擦)、断熱圧縮
このうち集塵装置で特に可能性の高いとみられるものは
静電気火花、自然発火、衝撃、裸火などが考えられる。

以上の三条件が同時に存在した時爆発が起こるので、その対策は、いずれか一つ以上の条件を除くことが防爆対策の基本となる。

集塵装置各部の防爆対策

項目例示原因対策
粉塵発生源
吸込フード
破砕機、粉砕機、混合機、篩機、ドライヤ、ホッパ、サイロ●高濃度粉塵雲の発生と衝撃、静電気火花、裸火等●十分な排気による爆発雰囲気の除去
●工場内の堆積塵の掃除
●吸込ワードからの裸火の流入防止
●工事、修理作業時の裸火に注意
●作業員に対する安全教育
ダクト滞留部、ベンド都●粉塵堆積
●可燃性ガス取扱ダクトにおけるパージ不足
●ダクト内粉塵輸送風速の適正化
●ダクト内の定期的検査、掃除
●防火ダンパの迫正な維持管理
●ダンパ、リデューサ、ベンド等の点検
●グクト破損部の早急な修理
●ダクト内の流速を常に一定に保つ。特に可燃性粉塵の場合はダンパによる切替使用はさける
●ダクトはなるべく短く、かつ一系統ダクトで受持つ発塵源(機械)は4台を限度とすべきである
●リデューサの広がり角度は15°以下とする
●ダクト壁面に固着した粉塵をハツリ落す時の打撃による火花、修理工事の裸火に注意
集塵機
本体
バグフィルタ●バグハウス、ホッパ内等で高濃度粉塵雲の発生
●裸火、高温粒子の飛び込み
●静電気火花
●捕集粉塵の自然発火
●粉塵 自身の保有熱の蓄積
●同伴する低沸点物質或いは可燃性ガスの着火
●鉄片など固い粗大なものを吸込ませないような構造にする。修理やメンテナンスの時にボルトや工具などを内部に置き忘れないよう点検を十分に行う
●適当なプレグスタを用いて火の粉をカットする
●バグハウス、グクト等をすべてボンドし接地する
●フィルタバグを木綿など天然繊維製にするか、帯電防止ろ布を用いる
●ホッパ内に粉塵を溜めすぎないように注意する。できれば連続排出装置を附加する
●バグハウス内の温度分布を監視し、一定温度以上になった場合、非常停止、その他適切な処置が行えるようにする
●オイルミストや可燃性ガスの系統を分離できるものは分離し、別系統にする
●集塵装置の運転停止及び始動ガスパージを行)
排風機
電動機
 ●過熱●可燃性粉塵や磨耗性の激しい粉塵を取扱う場合は原則として集塵装置の後に設置する
●粉塵による磨耗又は附着、腐食などでインペラのバランスがくずれ、激しい振動、騒音を発生し、急速に故障に至る
●インペラの破損は機械的事故だけでなく、衝撃による火花が大きな事故につながる
●ベルトのスリップによる摩擦熱、モータのスパークなどいずれも着火源になり得る
その他  ●爆発火災の恐れのある場合は構造物から適当な保安距離をとる
●耐圧構造の壁面で囲う
●要所に爆発ベントを設ける
●磨耗や腐食から来る可燃性粉塵やガスの大量漏洩を防止する
●建屋内、特に梁、棚状物などに可燃性粉塵を堆積させない(常に掃除する)
●その他爆発防止装置も検討する

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