新工場の空気輸送装置の能力が予定通り出ないで設備担当者が頭をかかえているという話を聞きました。現場を調べてみると吸引式の空気輸送装置で、ブロアは-4500mmH2O、10m3/minというものでした。
装置の圧力損失は計算して出したようですが、空気量の方はフィーダ(吸込口)で必要な量を求めただけでブロアの能力を選定して発注してしまったらしいのです。当然-4500mmH2Oにもなれば空気の圧縮性がきいて来ます。ブロア入口では吸込口でのボリュームに対して1.77倍にふくらみます。
一方ブロアメーカーは-4500mmH2O、10m3/minの能力のものを納入するわけですから、実際には吸込口圧力に換算すれば1/1.77=0.56倍つまり5.6m3/minの空気しか吸込まないのです。従ってこの空気輸送装置は5~6割の能力しか出ないのです。静圧500mmH2Oを超えたら空気の圧縮性にも十分気をつけて下さい。